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光造形3Dプリンターで積層痕が出来る10の理由

光造形3Dプリンターで積層痕が出来る10の理由

 

こちらの英文記事を参考に日本語でまとめてみました。ご参照ください。

https://ameralabs.com/blog/10-reasons-for-unexpected-horizontal-lines-on-your-3d-printed-parts/

 

#1. 照射時間の違い

 

造形中に照射時間が突然変わった場合、積層痕ができやすくなるようです。

たとえば、ボトム部分50秒で本体部分14秒にした場合、その照射時間の相違が積層痕に繋がります。

また、造形中に各所で照射時間を変えた場合、積層痕が出現しやすくなります。

 

#2. リフトの上下スピードの相違

 

恐らく光造形プリンターで、リフトの上下スピードを変えることができる機種は聞いたことがありませんが、スピードが変わることで積層痕ができるようです。

 

#3. 造形中の予期せぬ中断

 

造形中に突然中断やポーズした場合、レジンの収縮が起きることでレイヤー毎の造形物の大きさに僅かな差が生じ、積層痕の発生に繋がります。

 

#4. モデルストラクチャーの大幅な変更

 

#3と同様に、レジンの収縮によって造形物の大きさが極端に異なる部分がある場合、

レジンの収縮によって積層痕が目立ってしまう場合があります。

 

#5. 不安定な基盤とポジショニング

 

強固な土台が無い場合、土台の僅かな揺れや微妙な位置の移動が造形物にマイクロ単位で誤差を生じさせます。

特に、①サポート数の増加、②土台の照射時間を長くする、③粘度が高く、収縮率の低いレジンを使うことで、積層痕が減る確率が上がります。

 

#6. トレイ内のレジンの不均質性

 

使用前によくレジンを攪拌させ、レジンの均質性をしっかり調整することで均等な照射を実現できます。

 

#7. Z軸の耐久性

 

もしZ軸が不安定だったり、まっすぐではない場合は新品に交換する必要があります。

Z軸が汚い場合はしっかり掃除することでリフトの上下スピードの正常化をもたらします。

 

#8. FEPフィルムを綺麗な状態にしておく

 

白化(傷)が激しい場合は、積層痕に繋がるため、新品に交換しましょう。

 

#9. レジンの色素・顔料の堆積

 

色素・顔料はレジンに溶け込まず、密度も異なるため時間が経つと分離します。

長時間の印刷をする場合は、印刷中に慎重にタンク内のレジンを攪拌させましょう。

(結構難しいと思いますが、、苦笑)

 

#10. 造形パラメーターの設定ミス

 

過度な照射時間の設定や、リフトの早い上下運動は積層痕の敵です。

レジンや機種毎の適切なパラメーターを見つけ出すことが重要なので、しっかりパラメーターを調整しましょう。

 

 

最後に、レジン液のボトルを十分に振って内容物を攪拌させることが非常に重要ですので、お忘れ無く!

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anycubic-photon分解物語

LCD(保護ガラス面)のひび割れ報告が多くなってきたので、ノリで分解してみました。
皆様のご期待に沿えぬ形かもしれませんが、お手柔らかにお願い致しますm(_ _)m

早速分解して参ります。。

ここ1週間で、ツイッター界隈の有識者たちが総力を挙げて分析してくださっていたので、こちらではそのまとめと考察、そして出来るだけ写真をいっぱい記載しようと思います!

前面はネジを外すと前面と下部が一緒にガコっと外れます。

左側にラズベリーパイでよく目にするパソコンの回路基板がありますね。

アップ画像はこちら。。

そしてど真ん中の青いのは冷却フィンです。
面積は結構大きいので、冷却効果は期待できそうです。

冷却ファンがPhotonの下部に位置しており、冷却フィンに送風しているようです。

しかし、ファンが小型なのでそこまでの冷却効果は期待できないと思います。

後述しますが、後面を取り外して、そこに別途冷却ファンを取り付けるほうが良いかもしれません。


前面のタッチスクリーンを分解中。。

このタッチスクリーンは恐らくかなり安いですね、、

後面もネジを取って覗いてみるとこんな感じです。
真ん中にある四角い銀色と黒色の物体が、z軸回転用のモーターです。

もし冷却したい方はここに冷却ファンを追加で設置しても良いかもしれません。
ただ、後述しますが冷却の有無がそのまま保護ガラス面のひび割れを解決するかどうかは少々疑問がございます。

次は反射板ですが、ネジが凄く固くて取り外すのに苦戦しました。

鏡面の接着部分が、少々錆びてしまっていますね。。
⇑訂正いたします、こちら錆ではなく溶接時の焼けのようです。

内部の配置と作りが甘かったりすると、機体によっては照射にムラが生じてしまいます。

そしていよいよ問題のLCD(保護ガラス面)へ、、

先ほどvatタンクを取り外す際に、べりッとした感覚がありました。
結構汚れているので、掃除したほうがいいかもしれません。。

LCDはこのように取り外します。


回路基板に結構しっかり両面テープらしきもので接着されていたので、強引に取り除きます。。

これは1枚3000円程度で買えるものですね。
消耗品と割り切ってしまうのもいいかもしれません。

残りの部分は、分解したところで絵的になんとも面白くなかったので、写真は割愛致します。

さて、本題のLCD(保護ガラス面)のひび割れ現象についてですが、主に1. 構造上のオーバーヒートよる亀裂、2. vatタンクとガラス面の癒着による亀裂、3. タンク内のゴミによる巻き込みが考えられます。

1. に関してはツイッターの@KazuhikoShoji様が素晴らしい実験をしてくださいました。
LED基板の温度を測ってみたところ、40度前後だったとのご報告がありました。

そもそもレジンは40度前後まで温めて使用するのがベストであり、かつ、40度程度では周辺の金属が膨張してガラス面への圧力で亀裂を促す可能性は極めて低いです。
したがって、構造上の熱による亀裂はあまり現実的ではないと考えます。

次に、@Yoshi6054様がAnycubicに直接お問い合わせ頂いた内容が2と関連していると思いますので共有させていただきます。




要約しますと、鋭利な物でぶつけない、都度保護ガラスとそれに面するフィルムを掃除すること、そして保護ガラス面とvatタンクが癒着することがあるので、vatタンクを取り外す際は気を付けること、とあります。

恐らくメーカーさんのところには色々なフィードバックが入ってきているので、Please note this(ここ特に注意して)とある後段部分は特に核心を得ているのではないかと考えます。

また、2と3に関して@info_PW様(Kazuhisa SHOUSHIN様)が豊富な知見から詳しく分析されておりましたので、ここに引用させていただきます。ありがとうございます!

① レジンタンク内のゴミ取りをしてなかった、もしくはゴミがあったことを気づかずにプラットフォームを下ろしてしまい、これが原因で割れた。

② 冬場や低温環境で、しかもレジン加温や筐体温度が極端に低い温度でプリントを開始し、レジン硬化による急加熱との温度差でガラスが割れた。

③ プラットフォームが冷たい状態(気温やIPA洗浄せん熱による)でフィルム越しにガラス面を冷却した直後にレジン硬化熱による膨張亀裂が発生した。

④ UV硬化中はプラットフォームとフィルムとガラス面が圧着されている状態になり、フィルムとガラス面が真空状態に近似したため、密着性が高まる。この密着負荷の状態から剥離挙動をした瞬間にガラス面の極所亀裂が発生した。

⑤ ガラス面とベースフレームのハメコミまたはパッキン環境にクリアランスがなく、レジン硬化熱により加熱膨張したガラスの逃げ道がなくなり亀裂が生じた。

⑥ ①~⑤までが重複した原因としてガラス面の亀裂を誘発した。

メーカー側の返答と照らし合わせて考えた場合、①のレジンタンク内のゴミ、例えば前回の造形後に、落下した欠片などがタンク内にそのまま混ざってしまった状態で、次回造形時にプラットフォームがその欠片を巻き込むことで保護ガラスにひび割れを生じさせてしまう、④の密着性ゆえに剥離する際のストレスで(上方向ではなく、スライド方向)亀裂が生じる説がかなり有力だと個人的に考えます。

もちろんその他②③⑤⑥も可能性としては十分にありえます。

また、Youtube上で、Photonのガラス破損対策動画がアップされており、彼の考えを要約しますと保護ガラスとvatタンクをしっかり拭き、造形後はvatタンクを水平に剥がすのではなく、持ち上げてから取り外すようにとあります。


対策としては左図のように、造形後に紐を使って癒着部分をゆっくり剥がす方法をご紹介されております。
果たして本当に効果があるかどうかは、私はまだ試してみたことがないので定かではありませんが、直接vatタンクを引っ張って剥がすよりかはダメージの蓄積は少ないと思います。

また、ほかの方法としては、透過性の高いフィルムをもう一枚保護ガラスの上に敷くことで、密着性対策として効果があるのではないかと考えます。ただ、どのフィルムが良いかはいくつかトライしてみないとわからないですし、UVの照射度合いも変わってきますので条件設定を変更したりと色々大変かもしれません。

一番良い方法は、①毎回の造形後にしっかりとLCDスクリーンとvatタンク内を掃除し、欠片やゴミが一切ない状態にし、②造形後はいきなり手元にvatタンクをスライドさせずに、まずは上に持ち上げてから取り出す。

以上の2点ルールを守り、余裕があれば紐もしくはフィルムを用意し、後面パネルを取り外すor冷却ファンを増設して排熱を促せば恐らくひび割れすることはないと思います!
(※あくまでも推察なので自己責任でお願い致します、、)

個人的にはボンネットどころじゃなかったですが、仰る通りですね。。笑

弊社では以前Photonも取り扱っておりましたが、Anycubic本社側の意向で販売を中止しました。

おそらくアマゾンで独占販売したかったのでしょう。。

現在弊社ではPhrozen ShuffleとWanhao D7 Plusをメイン機種として販売しております。

それでは、引き続き3DプリンターSK本舗の御愛顧の程、宜しくお願い申し上げます!